看護師歴20年以上のベテラン看護師へ密着しました。
ひらまつ病院で働くM.Mさんの所属は、急性期病棟です。
急性期病棟というのは、病気のもっとも重篤な、重い時期の治療をする病棟です。
病棟で働く看護師は、24時間交代で患者さんをケアします。日勤で働く時は、朝は申し送りから始まります。看護師が交代するときには、患者さんの情報をカルテで確認し、重要な情報を口頭で伝えます。
ミーティングの後は担当の患者さんのもとを回り会話をしながら体調をチェックします。
患者さんの食事の時間。配ぜんの後、患者さんの食事の様子を見ながら薬を配ります。食前や食後など、薬を飲むタイミングは患者さんそれぞれ。
医師の指示に沿って注意深く確認し、片側にまひが残る患者さんには薬が口の中に残っていないか目で確認します。
午後も患者さんのもとへ向かいます。皮膚の弱い患者さんのけがを注意深くケアしたり、トイレへ誘導したり。夜勤のスタッフとの交代の時間まで、M.Mさんは患者さんに寄り添い、ケアを行います。
M.Mさんは、今日は、実習指導者として実習中の看護学生を担当しているので看護学生と1日のスケジュールの確認をした後、実際患者さんへ看護ケアを行う時そばに付添い、看護技術のチェックとアドバイスをしています。
病棟での実習が終わると、看護学生たちのカンファレンス(会議)が始まります。患者さんを総合的に看てケアする力を養うため、教員や実習指導者を交えてその日行った看護の意味・翌日の看護方針などの意見を学生同士が話し合いますのでM.Mさんは、その場でもアドバイスをします。
カンファレンスが終わると教員と実習指導者との情報交換や指導の確認作業などを行っています。
M.Mさんのインタビュー
- やりがいを感じる瞬間はどんな時ですか
- 患者さんが元気になって退院される時や急に状態が悪化された時、その時の処置で救命できた時また、一生懸命看護した事に対して患者さんやスタッフから良い評価をいただいた時です。
- 後輩を指導する上で大切にしている事は何ですか
- 治療や看護をしていく上で何故この治療や看護が必要なのか、根拠をしっかり理解して行うことや基本的な態度として遅刻や無断欠勤をしない、提出物の期限を守る、報告・連絡・相談が出来ること等です。
- 新人の頃とくらべて仕事に対する考え方は変わりましたか
- 新人の頃はただ与えられた仕事をミスなくやり遂げるのが精一杯でした。看護師は人の命に携わる大切な仕事です。仕事をする上で責任感が今は一段と強くなったと思います。
- 後輩育成でうれしいと感じる時はどんな時ですか
- 自分が伝えたいことが素直に後輩看護師に伝わった時や育成していく上で自分が看護師として信頼されていると実感した時です。
- あなたの趣味はなんですか
- 料理と旅行とドライブです。
- 看護師になって良かったと思ったエピソードを聞かせてください
-
去年、主人の母が腎臓がんで入院しました。
日に日に体力も衰え、食事もスムーズに入らなくなっていき医師からは、余命1週間と告げられました。どうにかしてあげたいと考え母の願いで外泊をしました。
少しでも好きな物を食べさせたいとミキサー食を作ったり足や手を洗ったり身体を拭いたり、できる限りの看護技術を活かしたケアを家族みんなで行いました。
病院へ帰る日、母の足が冷たく皮膚の色も悪くなってきたので慌てて病院へ戻ったのですが病院へ戻って2時間後に母は亡くなりました。
十分に看護できなかった事を悔やみましたが母は亡くなる前に「嫁があなたで良かった。ありがとう!」と言ってくれたのです。この時、自分が行ったことが無駄ではなく、悔いのない最後を過ごしてもらえたと実感しました。
この時ほど看護師の仕事をしていて良かったと感じたことはありませんでした。
看護師歴15年以上のベテラン看護師へ密着しました。
ひらまつ病院で働くR.Sさんの所属は、急性期と亜急性期の混合病棟です。
病棟は、24時間を交代制で担当します。
夜勤は夜の間、患者さんを見守る大切な仕事です。 R.Sが働く病棟では、2交代制を基本に16時間夜勤となっています。
16時30分、申し送り。夜勤の仕事は患者さんの日中の状態を確認し、看護を引き継ぐことから始まります。 次に病室を回って、患者さんの寝る準備を整えます。21時、病棟全体が消灯します。消灯後も看護師たちは各病室を見回り、患者さんの安全を確認します。この病棟では2~3時間ごとに行っています。そして、緊急のナースコールにも対応します。
夜勤は限られた人数で患者さんたちの看護をし、緊急の時にも対応しなければいけません。そのため、看護師たちのチームワークがとても大切になります。この病院では夜勤中の負担を減らし、集中力を保つために、看護師が交代で1時間の休憩と、2時間の仮眠をとることができます。
朝の4時、患者さんが起床後に飲む薬のチェックや点滴を準備します。朝6時、起床の時間です。看護師は病室を回り、体温や血圧、脈拍などを計って 患者さんの状態を確認します。そして、夜勤の看護師が担当した患者さんの状態をリーダーに報告します。朝、8時30分、申し送りで日勤の看護師たちに看護を引き継いで夜勤は終了です。
R.Sさんのインタビュー
- やりがいを感じる瞬間はどんな時ですか
- 患者さんに何かをすることで喜んでもらえた時などですが私は、毎日やりがいを感じています。
- 後輩を指導する上で大切にしている事は何ですか
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昔はこうだった・・・という考えは捨てて、新人看護師や看護学生の気持ちに寄り添ってあげることです。
「やって見せる」や「相談しやすい雰囲気作り」を大切にしています。 - 新人の頃とくらべて仕事に対する考え方は変わりましたか
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新人の時は、業務を覚える事に必死で周りが見えていませんでした。
でも、今は患者さんや家族への心配りが出来るようになった気がします。
思いやりの心を忘れず他人を思いやる心が一番大事だと思います。 - 後輩育成でうれしいと感じる時はどんな時ですか
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人に教えるのは、本当に難しいのですがこんな私でも指導できるんだと思うことがうれしいと感じます。
後輩や看護学生が指導したことを素直に聞いてくれて前向きに頑張っている姿を見る時がうれしい瞬間です。 - あなたの特技はなんですか
- どこでもすぐ寝れることやバレーボールです。
- 看護師になって良かったと思ったエピソードを聞かせてください
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具体的なエピソードは、特にありませんが、身内が病気や怪我で支援が必要になった時に専門的な知識と経験で助けられる時に看護師になって良かったと思いました。
また、看護師としての経験は、わたしの財産です。